【2026年度から本格始動】こども誰でも通園制度とは?保育施設への影響と今後の対策(2025年動向シリーズ第3回)
- emcjpn
- 4月9日
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更新日:7 日前

2026年度から「こども誰でも通園制度」が本格的に始まることにより、保育施設にもさまざまな影響が出ること予想されています。
この記事では、こども誰でも通園制度が保育施設に与える影響や、保育士の皆さんがどういった準備をしていくべきかを中心にお話しします。
制度開始に向けて不安を解消し、日々の業務を円滑に進めるためのヒントにしていただければ幸いです。
こども誰でも通園制度とは?

まずは、こども誰でも通園制度の概要と背景についてご紹介します。
制度の概要
「こども誰でも通園制度」は、親の働き方やライフスタイルに関係なく、0歳6か月から2歳までの未就園児が保育施設を利用できる仕組みです。
この制度は、2023年度の「こども未来戦略方針」において政府から発表され、保護者が柔軟に利用できるよう、月一定時間までの利用枠を設けて時間単位での利用が可能となっています。
2024年度からは試行的な運用が始まり、現状では月10時間までの利用が認められています。
これにより、保護者は育児の負担軽減や子どもの社会性・コミュニケーション能力の向上を図りながら、保育施設を気軽に利用することができます。
一時預かりとの違い
一時預かりとの大きな違いは、「こども誰でも通園制度」が親の就労状況に関係なく、0歳6か月から2歳の未就園児が対象である点です。
一時預かりとは、保護者の特定の事情に基づいて子どもを一時的に預けるもので、利用時間や条件も自治体や施設によって異なります。
したがって、この制度は子どもの発達支援を目的とした継続的な利用が可能で、より多様な子育てニーズに対応しています。
制度の背景
この制度が生まれた背景には、日本社会が抱えるさまざまな子育ての課題があります。
近年、共働き家庭の増加により、育児と仕事の両立に悩む保護者が増えています。
特に0~2歳児の子育ては「孤立した育児」になりやすく、不安や悩みを抱え込む家庭も多いです。そんな中、「少しの時間でも誰かに見てもらえたら…」と感じることも多いと思います。
この制度は、そんな保護者の不安や負担を軽減し、育児の孤立を防ぐことを目的としています。
また、未就園児が家庭内だけで過ごすのではなく、保育施設を通じて他の子どもたちと交流することで、社会性やコミュニケーション能力の発達が期待されます。保育士による適切な関わりのもと、子ども一人ひとりの成長を見守ってもらえる環境が整うことも、保護者にとって安心材料のひとつとなるでしょう。
さらに、子育ての負担が大きいことが、子どもを持つことへのハードルになっているという現状もあります。この制度は、保護者が安心して子育てできる環境を整え、家庭だけで抱え込まなくて済む仕組みを提供することで、少子化対策の一環としての役割も果たします。
現在の試験運用状況
2024年度から開始された「こども誰でも通園制度」の試行的事業は、全国の自治体で段階的に実施されています。2024年8月30日時点で、118の自治体が試験的運用を行っています。
試験運用の結果とメリット
・ 保護者の負担軽減: 短時間でも子どもを預けられることで、育児の負担が軽減されたとの声が多く寄せられています。
・ 子どもの成長促進: 他の子どもたちとの交流を通じて、こどもたちの成長・発達を感じることができるという報告もあります。
課題と改善点
・ 利用時間の短さ: 1週あたり2.5時間という短時間設定が、子どもにとって十分な慣らし保育の機会を提供できていないと指摘されています。
・ 保育施設の負担増: 新たな利用者対応によって、保育士の事務作業やこどもの対応にかける時間・労力が増えたという声があります。
こども誰でも通園制度が保育施設に与える影響

この制度の導入は、保育施設にとってさまざまな影響をもたらします。ここでは、こども誰でも通園制度が保育現場に与える影響について整理します。
保育施設の運営安定化
こども誰でも通園制度は、特に定員に空きがある保育施設にとって運営の安定につながる可能性があります。短時間の利用者が増えることで、施設の稼働率が向上し、安定した収入が確保できることが期待されます。
保育士の業務負担の増加
一方で、短時間利用の子どもが増えることで、保育士の業務負担が増加する懸念もあります。
新規の受け入れに伴う手続きや、子ども一人ひとりに対する個別対応が必要となるため、事務作業や保育業務の負担が増える可能性があるでしょう。
また、慣れない環境で不安を感じる子どもへの配慮も求められ、保育士の負担がさらに大きくなることが考えられます。
人材確保の課題
保育業界全体の人材不足が続く中で、新たな制度の導入により、さらなる人手不足が進むことが懸念されています。特に地方の保育施設では、必要な保育士を確保することが難しくなる可能性があります。
これに対応するためには、保育士の待遇改善や働きやすい環境の整備が求められるでしょう。
2026年に向けた準備

2026年度に向けて、保育施設がどのような準備を進めるべきかを考えてみましょう。この段階での取り組みが、制度開始後の円滑な運営を支える鍵となります。
労働環境の整備
「こども誰でも通園制度」の導入により、保育施設の利用者が増え、保育士の業務負担が増加することが予想されます。そのため、働きやすい環境を整え、負担を軽減することが不可欠です。
ICTツールの活用で業務を効率化
保育士の業務負担を減らすためには、ICTツールの導入が効果的です。入園手続きや書類作成、日々の連絡帳管理などをシステム化することで、業務の負担を大幅に軽減できます。
これにより、保育士はより多くの時間を子どもたちと向き合うことが可能になります。また、ICTの活用は保護者とのスムーズな連携にも役立ちます。
働きやすい職場環境の整備
保育士の離職を防ぎ、長く安心して働ける環境を整えることも大切です。
給与や福利厚生の充実に加え、シフトの柔軟化や休憩時間の確保など、働きやすい制度の導入が求められます。さらに、職場の雰囲気づくりやチームワークの向上も重要な要素となります。
安全性と運営効率の両立
短時間利用の増加により、入退室管理や個別対応が増え、施設運営はより複雑になります。安全を確保しながらスムーズな受け入れを実現するには、適切な体制整備が必要です。
保育の質を維持しつつ安全を守るため、スタッフの増員や業務分担の見直しが求められます。短時間利用の子どもが増えることで、対応すべき場面も増えるため、業務の流れを整理し、効率的な運営体制を構築することが重要です。
また、安全性を高めながら業務負担を軽減するため、ICTや監視カメラなどのテクノロジー活用も検討すると良いでしょう。
午睡中の心理的・業務的負担を減らす「午睡チェックセンサー」

午睡中の見守りや5-10分おきのブレスチェックは、保育士にとって大きな負担の1つです。
特にツールを使わずに目視や手書きでチェックを行う場合、子保育の質を保ちながらも今までより多くの子どもを受け入れる可能性もあり、大変な工数がかかってしまいます。
そんな課題を解決するのが「午睡チェックセンサー」です。子どもの安全を守りながら、保育士の業務負担を軽減できます。
午睡チェックセンサーならカメラ型がおすすめ?
午睡チェックセンサーには、さまざまなタイプがありますが、現場での使いやすさを考慮するとカメラ型が特におすすめです。以下では、他のタイプと比較しながらその理由を詳しく解説します。
ウェラブル等の場合
ウェアラブル型のセンサーは、園児に専用のデバイスを装着する必要があります。
そのため、突発的に預かる園児などに対しては即時対応が難しく、手動でのチェックに頼らざるを得ない場面も少なくありません。
さらに、装着の手間や管理の煩雑さが加わることで、保育士の負担は減るどころか増えてしまうこともあります。
マット型の場合
マット型もウェアラブル型と同様に「園児一人ひとりに機材が必要」です。園児ごとに準備をしなければならず、こちらも臨時的な保育には柔軟に対応しづらい可能性があります。
カメラ型の場合
その点、カメラ型の午睡チェックセンサーであれば、当日の利用でも名前を登録するだけですぐに使用可能です。突発的な預かりや一時保育などで園児の人数が変動する場合でも、柔軟に対応できます。
特にカメラ型は、一度に十数人の園児の様子をまとめて確認できるのが大きな特長です。
ウェアラブル型やマット型のように、園児の数に応じて個別に機材を準備する必要がなく、機材の準備・管理コストを大幅に削減できます。
こうした点からも、変動の多い保育現場ではカメラ型が最も実用的といえるでしょう。
カメラ型午睡チェックセンサー『ベビモニ』

弊社が提供しているカメラ型午睡チェックセンサー『ベビモニ』は、天井カメラとタブレットだけで運用可能な午睡チェックセンサーです。
園児への機器装着は一切不要で、カメラが子どもの寝姿勢を自動で検知し、うつ伏せ寝などのリスクがある場合にはアラートで即時通知します。そのため、保育士が頻繁に目視で確認しなくても、午睡中の安全をしっかりと見守ることができます。
また、午睡中の5〜10分おきのチェック記録も自動で作成され、保育士による手書きの作業は不要になります。記録はクラウド上に保存されるため、必要に応じて印刷もでき、監査対応や保護者への説明資料としても活用できます。
『ベビモニ』は、1つのカメラで10人まで見守ることができるので、急な受け入れや一時保育といった日々の変化にも対応しやすく、保育士の業務負担を大幅に軽減します。
日々忙しい保育士の方々が子どもと向き合う時間をしっかり確保できるように、ベビモニが保育環境の改善をお手伝いします。
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まとめ
2026年度には「こども誰でも通園制度」がいよいよ本格的に導入されます。
保育施設にとっては、運営の安定化と同時に、業務負担の増加や人材不足といった課題が浮上することが予想されます。この制度がもたらすメリットを最大限に生かすためには、今のうちから準備を進め、労働環境の整備や運営効率の向上に取り組むことが不可欠です。
保育士の皆さんが安心して働ける環境を作り、子どもたちに質の高い保育を提供するために、今からできることをしっかりと取り組んでいきましょう。